気がつけばとうに1時間以上は蟹を釣っていた。

ふらりと近所の入り江に出かける。海に近づくと以外にきれいな水である。いつも橋の上から眺めていたその入り江にはいつもボラが跳ねている。今日もそこかしこで銀色の魚が跳ねている。近くで見ると音も聞こえてまたいいものだ。
と、足下の岩場に大量の小蟹が身を潜めていることに気が付く。久々の対面に思わず身を屈めて見入ってしまう。


すると、あちらでさきほどから釣りをしていたらしい夫婦が近づいてくる。
「いっぱいいるでしょー。これで釣ってみな。」

イカの付いた手づくりの竿を渡される。紙カップを渡される。

そしてかれこれ1時間以上、通りすがりの人も交えながら蟹を釣った。通りすがりの人曰わく、海老も釣れるよ、とのこと。


次は海老を釣ろうか。