種を植えるとする。

そしてそこに芽がでるとする。
水をやるとする。
その水は土にぐんぐん吸い込まれてみるみる消えてゆく。
そこには湿った土と新しい芽。
おそらく芽は太陽に向かって上へ伸び、
風を受ける面積を着々と増やしながら次々と細胞を生産する。
反対のベクトルを気にした。
太陽とは逆にむかって根がのびたとする。
養分を得ようと地中深く手を広げる。
種を起点に引っ張り合うベクトル。
千切れる。
力はいったん分散するかもしれない。
種を起点とした一組のベクトルは無くなる。
しかしもしかしたら形跡くらいはあるかもしれない。