ドライ苔。

青々とした見た目からは想像もつかないスポンジの様な手触りと軽さ。

実際に水分を並々と蓄えていたときの姿のまま、それはそこにある。

かつて身を置いていた水受けから飛び出したそれは部屋のあちらこちらに置かれながら、周りの風景との違和感を堪能している。
そしてそれがそもそも何だったのか忘れさせる。

「ワタシはそもそも苔ではない」


では何なのか?

非常に難しい。