金、土と、福島県いわき市勿来に産地さんを訪ねて行って参りました。
毎年恒例の親睦会とのことで、
代表のお父ちゃんと切子さんたちと共に楽しい時間を過ごしました。
こちらの産地さんはドーダンツツジなんかの枝物を山から切り出して出荷されて
いますが、まだ混乱おさまらぬうちから出荷を再開されました。


インターを降りて作業場に向かう道すがら、
海岸沿いには復旧作業を急ぐ東京電力の火力発電所


こんな時だけれども、
美味しい食事と美味しいお酒を用意してくださり、
ご一行で夜中2時過ぎまでスナックで飲んで歌って。


翌日は「現状を見てほしい」とのことで、
まだ津波の爪痕が残る小名浜の沿岸へ。
ほんとうに凄まじかった。
写真のように家は中身が流されて空っぽ。
船や車はひっくり返ったままのものも。
空地にはありとあらゆるものの混ざった瓦礫の山。
行きかうトラック。
でもそんな中営業する商店。
点在するボランティアのテント。
半壊した道の駅の駐車場では野外コンサート。
でも、でもすぐそこには今日も寄せては引く海。


海岸沿から少し山側に行くと綺麗に田植えの終わった田んぼが
一面に広がる。畦道の草刈りをする人々。
正直、このコメが市場流通するのか怪しいところはあるけれど、
それでも繰り返し行われてきたそのサイクルは止まらない、
止めないのだと。「一回やめちゃうともう戻れなくなる」。


霧ががかったその山間の風景があまりに幻想的なだけに、
約30キロ先に警戒区域がある現実にやるせない思いになる。


この二日で話をした皆、
この三か月の間に別れも出会いもたくさんあって、
自分で選んでそこで生活していた。
親戚単位で周り近所が移住していく中、
「やっぱり簡単には離れられないよね」と。
これからの困難と危険を知っていても、
たくさんの人がいつも通り生活しようとしている。




と、言いつつもやっぱり
目に見えない放射性物質を東京にいるよりはたくさん浴びてきたのだな、
と現実的に考えてみる。
選べるものなら安全な食材を選びたいと思ってしまう。
自分の身を守ることが大切なことは間違いない、
でもそうは言ってられない生活を強いられている現状も分かった。



実際原発を受け入れている恩恵は受けてきたけれど、
「でももう原発は反対です」との生産者さんの言葉、聞けてよかったです。